ネットショップ立ち上げのステップ!必要なものや資金は?
2021年11月29日(公開日:2021年9月22日)
コロナ禍において躍進するEC市場は、様々なサービスの増加や巣ごもり需要により、さらに拡大しています。
最近では企業だけでなく個人でも手軽にネットショップを立ち上げできるようになり、スマホひとつあれば出店できるようになりました。
ネットショップには実店舗では届かないユーザーへ商品やサービスを販売でき、新規開拓にもメリットがあるので、これからチャレンジしたい方もいるかと思います。
しかしいざショップをオープンしたいと思っても「開業方法がわからない」「何を準備すればいいの?」と頭を悩ませている初心者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ネットショップの立ち上げ手順や費用など必要なもの、実店舗との違いについて説明します。
また個人におすすめの開業方法もあわせて紹介しますので、ネットショップを立ち上げたい方はぜひ参考にしてください。
ネットショップの立ち上げ手順!何から始めればいいの?
ネットショップを立ち上げるには、基本的に以下の手順が必要です。
・コンセプト・イメージを決める
・売る商品・サービスを決める
・届け出・許可の申請
・開業方法を決める
・決済方法・配送方法などを決める
・ネットショップを制作する
・商品の撮影・登録
・ネットショップオープン!ユーザー獲得へ
では、それぞれ詳しくみていきましょう。
コンセプト・ターゲットを決める
コンセプトやイメージ、ターゲットを決めることはネットショップ全体の価値に影響します。
「ネットショップで何を売りたいか」「どんな感じのネットショップにするか」というネットショップ自体のコンセプト。
そして20代~30代の子育てママ・年配層に向けてなど「どのようなユーザー層に売りたいのか」年齢や性別などターゲットユーザーを決めましょう。
売る商品・サービスを決める
ネットショップのコンセプト・イメージが決まったら、次は販売商品の選定です。
例えばトレンドの商品ばかりを羅列したショップは統一感がないため、ファンがつきにくいです。
しかし、コンセプトに基づいた商品を揃えるとターゲットユーザーに届きやすくファンがつきやすくなります。
ネットショップのコンセプトに合うような、他店との差別化できる利益につながる商品・サービスを選びましょう。
届け出・許可の申請
個人がネットショップを立ち上げ開業するときは、税務署へ開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を事業の開始から一ヶ月以内に提出する必要があります。
開業届を提出しなくても罰則はありませんが、年間所得が20万円を超える場合や確定申告する場合は必要になります。
詳しくは以下のサイトを参考にしてください。
国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
また特定の商品を販売する場合、それぞれに合った届け出・許可の申請が必要になります。
中古品→古物商許可
食品→食品衛生法に基づく営業許可
取り扱う商品によって届け出や許可が異なりますので、自社の商品に何が必要か確認しましょう。
開業方法を決める
これまでの準備が整ったら、実際に販売するネットショップを決めていきましょう。
ネットショップを開業する方法は、主に以下の3つ。
ショッピングモール(モール型ECサイト)
Amazonや楽天をはじめとする大手通販サイトへネットショップを開業する方法です。
簡単にいうと、デパートや百貨店で店舗スペースを借りて営業するようなイメージになります。
モール自体の集客力は強いですが、ライバルも多く選ばれるネットショップになるには集客の工夫が必要です。
また、固定費がかかるため個人運営や売上が安定しないショップでは継続が厳しくなる可能性があります。
ショッピングカートASP
ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)は、自社でECサイトを構築せず、コストを抑えてネットショップを運営できます。
無料から始められるショッピングカートもあり、ECサイト初心者や個人におすすめです。
手軽に始められる反面、集客力に弱い特徴があります。
ECオープンソースパッケージ(ECサイト構築サービス)
ネットショップの開設や運営に必要な機能を構築するサービスを活用し、開業する方法です。
コストはかかりますが、カスタマイズ性やサポート、集客機能に優れていることが特徴で、システム構築からデザイン制作、アフターフォロー、LP制作までお任せしたい方におすすめです。
企業によってサービス内容や予算は様々なので、ネットショップに合ったものを選びましょう。
決済方法・配送方法などを決める
ネットショップでは、決済方法や配送方法の選択が売り上げを左右します。
クレジットカード
代金引換
コンビニ後払い
振込払い
1度登録すれば次回から手間のかからないクレジットカードがいいという方もいますが、セキュリティに不安を感じる方は代金引換やコンビニ後払いが安全だと思うかもしれません。
特に決済方法の選択肢が多い方が、消費者にとって商品を購入しやすく使い勝手が良いサイトになるでしょう。
ネットショップを制作する
ここまでの手順になればショップの全体像が出来上がりますので、販売するサイトの制作を行います。
独自にサイトを構築する方法や外部のコンサルタントに委託する方法があります。
外部コンサルタントは、それぞれによって実績は強みがことなりますので自社のサイトとのマッチングやコストに合った業者を選びましょう。
開業方法によって制作方法が変わりますが、多くはデザインプレートの使用や簡単なステップでサイト制作することができます。
ただしデザインや機能に制限があるため、多くの商品を販売したい方や仕様、デザインにこだわりたい方は、コンサルタントに委託し自由度の高いサイト構築がおすすめです。
また、様々な相談やアドバイスをしてくれるコンサルタントに依頼すればコンセプトに合ったネットショップ運営や不安のサポートも対応してくれるので安心ですね。
商品の撮影・登録
実店舗と異なり実際に手に取って選ぶことができないため、ネットショップでは商品画像が売り上げに直結します。
分かりやすく鮮明な画像、画像に合ったイメージがしやすい説明文が重要です。
商品画像は、いくつかのパターンや角度を変えて細かい部分まで確認できるような写真が良いでしょう。
ネットショップオープン!ユーザー獲得へ
ネットショップ運営の最大の課題は集客!
サイトへのアクセス数を増やし、購入率を上げることが目的です。
ネットショップの集客施策には以下の方法があります。
・SEO対策(検索エンジンで上位表示させアクセス数を伸ばす)
・リスティング広告(有料の広告枠を使い上位表示させる)
・アフィリエイト広告(アフィリエイターに宣伝してもらう)
・ディスプレイ広告(Webサイトやアプリの広告枠に表示するWeb広告)
・SNS(Instagram、LINE、Twitter、FacebookなどSNSを活用して宣伝)
・メルマガ(メールで情報発信し新規顧客・リピーターの獲得につなげる)
新規購入やリピーター獲得につながるような集客施策を考えていきましょう。
ネットショップの立ち上げに必要なもの
では、ネットショップの立ち上げに必要なものをみてみましょう。
パソコン
プリンター
スマートフォン
デジタルカメラ
電話
梱包資材
ネットショップ運営の中心となる物品がパソコンです。
個人で趣味の延長、ハンドメイド作品の販売程度であればスマートフォンやタブレットだけでも可能ですが、効率性を上げるにはパソコンを用意しましょう。
パソコンにはネットショップ運営に必要なソフト、セキュリティソフトを入れるためスペックに余裕をもったものを選びましょう。
また個人で発送も行う場合は、商品に合った梱包資材の準備も必要。
破損しないための緩衝材やラッピングバッグなど多めに用意しておくと安心です。
ネットショップ立ち上げに必要な費用・資金
ネットショップの運営方法にはいくつかありますが、気になるのはそのコスト。
ネットショップ立ち上げサービスの中には無料・有料に分けられ、それぞれによって必要な費用が異なります。
無料サービスを使う場合
無料のネットショップ作成サービスを使えば、初期費用0円でショップの立ち上げが可能です。
登録し手順通りに進めるだけで手軽にネットショップを開設できるので、ネットショップ初心者に優しいことが特徴です。
月々の固定費がなく、最低限のコストで立ち上げできますのでリスクが低く、ユーザーや商品・サービスなどニーズを把握するテストマーケティングとして活用できます。
ただし、デザインプレートや機能拡張に制限があるため、他社との差別化や集客には弱くオリジナリティあるネットショップを立ち上げたい方には向いていません。
有料サービスを使う場合
ショッピングモール(モール型ECサイト)や・ECオープンソースパッケージ(ECサイト構築サービス)などを利用し、コストをかければよりコンセプトに沿ったネットショップを立ち上げることができます。
費用はかかりますが独自システムでネットショップを構築すれば、集客対策やカスタマイズ性に優れているので他社との差別化を図り、訴求性の高いネットショップに仕上がるでしょう。
幅広い機能を活用する場合のコスト
実店舗を立ち上げることに比べると安価で、基本的にインターネット環境とパソコン等があれば手軽にネットショップをオープンさせることはできます。
しかし、いかに売り上げにつなげられるかがポイントです。
ネットショップのイメージや使い勝手によって消費者の購買意欲を高めるので、デザインや機能性を充実できるサービスの活用が重要でしょう。
ネットショップ作成サービス・利用料
ネットショップの規模やプランによって費用が異なり、ネットショップ作成から運営まで初期費用無しで立ち上げられるサービスもあります。
ショッピングモールでは、月額の出店料やプロモーション費用などかかり年間30万円以上のコストがかかる場合もあります。
ネットショップ構築
ネットショップのサイト作成を外注する場合、依頼する外注先によって異なりますが20万円~30万円程度の見積もりが必要です。
構築も委託する場合は百万円を超える外注費になる場合もあります。
しかし、社内で構築するとなると新たに人材を採用しなければいけないため、時間や手間、採用コストを考えるとプロに依頼した方が得策という考え方もあります。
費用はかかりますが、集客や売上アップにつながるネットショップを目指すなら実績やスキルをもったプロのノウハウを活用するのがおすすめです。
ドメイン取得費用
独自ドメインでネットショップを運営したい場合は、ドメイン取得費用が必要になります。
ドメインのタイプによって数百円から1万円程度かかり、一般的な「.com」「.net」なら1,000円程度が相場です。
ドメインがあらかじめ用意されているネットショップの立ち上げサービスやモール型ECサイトでは、ドメインを取得せずに利用できます。
レンタルサーバー代
独自システムでネットショップを運営する場合は、レンタルサーバー費用がかかります。
出店の規模によってコストが異なり、月額数千円から数万円が必要です。
営業許可申請費用
ネットショップで取り扱う商品によって必要になる営業許可申請。
これにも費用がかかり、例えば「古物商許可申請」では申請手数料に1万9,000円・身分証明書の費用に1,400円程度必要になります。
また「食品衛生法に基づく営業許可」は、市区町村によって異なりますが1~2万が相場となり、更新が必要です。
営業許可申請の種類によって更新が必要なものもありますので、それぞれ確認しておきましょう。
どこが違う?ネットショップと実店舗との違い
“商品や価値を売る”という点ではネットショップと実店舗は同じですが、それぞれ違いがあります。
立ち上げ時のコストの違い
まずネットショップは、実店舗に比べて低コストであるという違いがあります。
例えば実店舗最大の負担となる家賃や工事費がかからず、それに代わるものとしてレンタルサーバー代や出店料や販売手数料、運営費等がかかりますが実店舗に比べると安価でしょう。
営業時間・営業場所の違い
実店舗ではオープンからクローズまで時間の制限がありますが、ネットショップでは時間の制限がなく24時間365日運営注文を受けることができます。
また、場所の制限もありませんので全国からお客様を呼び込むことができ、ネットショップによって海外ユーザーからの注文も可能です。
ネットショップは時間と場所に制限がないため、受け入れるユーザー数の幅が広いことが特徴です。
接客・集客の違い
ネットショップでは実店舗と異なり、直接接客をせずに商品やサービスの魅力を伝えていかなければいけません。
商品の質感やサイズ感、コーディネートなど画面から魅力や価値を伝え接客をするという視点が大切になります。
接客をするまでに大切なことは、より多くのユーザーに訪れてもらうことです。
サイトデザインやSEO対策、Web広告の活用など実店舗よりも細やかな集客施策が求められるでしょう。
個人におすすめの開業方法
ネットショップの立ち上げ方法をいくつか紹介しましたが、個人で開業するならどんな方法がベストなのでしょうか。
初心者ならコストを抑え手軽にオープンできるネットショップを利用したいと思う方が多いかと思います。
無料でネットショップが作成できるツールもあり、シンプルで使い勝手が良いので、まずはここからスタートと利用者が増加しています。
しかし取り扱う商品数が増えると容量オーバーになったり、販売手数料がかかり売れるほど赤字になってしまったりというケースもあります。
そのため「初めてネットショップを作って商品やサービスを販売する」まで無料ネットショップで行い、運営していく中で必要な機能が増えたら有料のプランに移行する方は少なくありません。
規模が大きくなれば、オリジナリティあるネットショップを立ち上げたいと思い外部サービスに依頼する方も多いです。
また、サポート面を重視するならはじめからコンサルタントに依頼することをおすすめします。
WEBに詳しくない方は分からないことも多く、方向性によってまったく利益につながらないリスクもあるため信頼できるコンサルタントに相談しながら進めるとよいでしょう。
ネットショップの立ち上げでは、集客が成功のカギを握るのでSEO対策やLP制作・WEB広告など集客施策に優れたコンサルタントがおすすめです。
【まとめ】ネットショップの軸を決めて開業しよう
いかがでしたでしょうか?
ネットショップの立ち上げ手順や費用など必要なもの、実店舗との違いについて説明しました。
「ネットショップの立ち上げって難しそう…」
と、個人・初心者・未経験の方も、実は手軽にネットショップをオープンできることがお分かりいただけたかと思います。
ネットショップ自体をオープンさせることはさほど難しいことではありませんが、それを継続して運営することが簡単ではありません。
まずはネットショップの軸となるコンセプトとターゲットユーザーを明確にし、どのような価値を提供できるかを考え準備することが大切です。
ネットショップの立ち上げに不安な方やどうすればいいか分からない方は、実績とノウハウをもったコンサルタントと相談し進めていくことをおすすめします。
そしてどのような形態で開設するのが良いかを考え、ネットショップ運営にチャレンジしてみましょう。